国勢調査
先週行われる予定だった国勢調査が本日になりました。
朝の6時から夕方の6時までの12時間が、その調査に当てられ
国民はその間、移動が禁止されています。
朝から車が全く走ってなく、静かな一日です。
しかし、肝心の調査のほうは待てど暮らせど来ませんでした。
3人のローカルスタッフに聞いたところ、1人のところしか調査が来なかったそうです。
うちもいれて、4軒に1軒の割合で25%での調査です。
周囲のスーダン人は、今日やっとスタートしたのだから、数日はかかるだろうとのことです。
ただ、人々は動きますし、何のために人の移動を禁止したのかわからなくなります。
まあ、こうして、静かな一日が過ぎ去りました。
現在我々の活動を手伝ってくれている看護師の野口さんですが、
彼女は、今日の静かな町の様子を見に行きたいと外に出て行きました。
1時間くらいたったでしょうか、まだもどってきません。
電話をすると、どうやら道に迷っているようです。
「保健省を背にして左側に道なりに行けば、事務所近くになるから」
と言ったのですが、
なかなか戻ってきません。
次に電話すると
「ラクシャにのったけど・・・」
「病院に行ってもらって」
で、ようやく彼女を救出できました。
そして、彼女から話を聞くと、保健省を背にしての部分を聞き逃し、
保健省を右に行ったとのことです。
それでは、全く反対方向ですから、こちらに着くわけはありません。
でも、そこからが彼女の大冒険になったようです。
スーダン人の男性から
「水を飲んで行けよ」
と言われ、彼の家に行ったそうです。
ペットボトルの水をくれたそうです。
その後、また彷徨っていると、
ラクシャ(タクシー)の男性から
「乗ってけよ」
「お金持ってないから」
「でもいいよ」
ということで、ラクシャに乗って近くの病院にたどり着きました。
そして、
「お金ないんだろ!じゃあこれでも持って行けよ」と
1ポンドくれたそうです。
そして、彼女は戻ってきて、
「楽しかった」
とのことです。
これは、スーダンだからこそできることで、決して他の国では男性に声をかけられて、
その人の家に行ったり、車に乗ったりしてはいけません。
スーダン人からお金を恵んでもらった数少ない野口さんでした。
川原尚行