乾いた土地で感じる恵み。初めてのスーダン出張
私は普段は日本でスーダン事業を支える仕事をしているのですが、今回初めてスーダンに出張し、現地の様子やロシナンテスのスーダンでの事業を見てきました。今回は、約2週間のスーダン滞在で感じたことを報告いたします。
家のドアや窓を閉めていても、細かい砂がどこからか入ってきて、すぐに家具などに積もってしまいます(クリーナーのイルハームが大活躍です)。
ハルツームから車で8時間以上かかる北コルドファン州の栄養事業視察にも行ってきましたが、その間の景色も9割以上が砂漠。
白ナイル・青ナイル川の合流地点であるハルツーム周辺はナイルの恵みや発電機を使った灌漑設備のおかげで畑が多いのですが、街から離れるほど、そして舗装道路から離れるほど、目に映る緑の量が明らかに減り、白茶けた風景になっていきます。
厳しい自然環境の中で「皆、何を食べているんだろう」と心配になってしまいます(ヒツジですかね)。
そんなスーダンの第二印象は「プチ・オアシスの国」。
茶色なスーダンだからこそ、ちょっとした緑が印象に残ることが多かったです。
スーダンの人たちが緑を大切にしている風景に親しみを感じ、何度も癒されました。
これらの水は各家の人が管理しているそうですが、どちらも誰でも 無料で利用できます。
見た目はちょっとグロテスクですが、水は気化熱で冷えるためおいしいそうです(味見をしようとしていたら私のお腹を心配したドライバーに止められてしまい、手を洗わせてもらっただけでした)。
さらに、訪問先では甘い紅茶やコーヒーでもてなされることが多かったのですが、北コルドファン州の砂漠の村では、おじいさんが痛む足をひきずりながら自分の家からバケツに入った水を運んできてくれました。
この村には池や井戸がなく、毎日近くの町からトラックで運んでくる水をお金を払って買っています。おじいさんは、私たちが村に来たことを聞きつけて、その貴重な水をもってきてくれたそうです。
乾いた土地だからこそ、ささやかな緑や水の新鮮さを分かち合え、人々の優しさを感じられる、そんなプチ・オアシスにたくさん出会うことができたスーダン出張でした。