スーダン駐在を終えて【渡邊 周介】
あらためて支援者の方々、仕事でお世話になった方々、そしてロシナンテス職員に感謝したいと思います。
今回、スーダン駐在を終えて、ということで記事を書かせてもらいます。題して、「スーダンで驚いた、心が動いたこと、ベスト3」です。
第三位 ハブーブ
ハブーブというのは正確には「砂混じりの強風」のことらしいですが、スーダンではすごく強い砂嵐が時たま来ます。
「ハブーブが来た!」と言います。
すごい迫力です。
砂と風が来るだけなので、基本的には家に入ればやり過ごせるのですが、ハブーブの後は掃除が大変です。
机にも床にも砂が降り積もります。
ハブーブだけでなく、スーダンでは自然の厳しさを感じることが多いです。
雨が全く降らない乾季の終わりの方にはハフィール(ため池)の水量が目に見えて減りますし、夏の暑さについてはかなり覚悟していたつもりでしたが日差しの強烈さにうんざりしました。
クーラーは偉大です。
第二位 電気メーターが壊れていたこと
ある時から電気メーターの調子がおかしくなりました。
スーダンでは各家庭に電気メーターがあり、料金を払うと電気がチャージされるのですが、これがある時からものすごい勢いで減り始めました。お金を払っても、電気がすぐになくなってしまいます。
色んな人に相談し、色んなことを言われました。
①「これはきっと誰かが盗んでいる。」
②「下にある美容院が怪しい。ドライヤーとかで電気くうし。」
③「ビルを建てたときの手抜き工事のせいだ。」
④「そもそも大家が気に入らない。金にガメツイ。」
⑤「メーターが壊れているんじゃないか?」
⑥「電気会社が悪い。」
⑦「あいつらの料金はもとからボッタクリ。」
⑧「そもそも公共料金が全般的に高すぎる。」
⑨「全てスーダン政府が悪い。」
結局正しかったのは⑤で、新しいメーターをつけてもらって解決しました。
しかしこれが分かるまでに、いろいろな人に話を聞き、いろんな技師さんに来てもらい、「よくなった!」というぬか喜びを何回もして、結局解決するのに半年近くかかりました。
途上国だからこその手続きの煩雑さ、「普通のことを普通に聞いているつもりなのに期待している返答がない」という現実を実感しました。(ずっとお金もとられ続けてましたし…。)
スーダンではこの「手続きに時間がかかる」を随所で感じます。
仕事の関係で政府の許可を得たりするときも「なんで書類一枚その日のうち、せめてこの週中に書けないんだ」と思うことが多いです。
しかし、ここはやはりそういう国で働いているんだからと割り切るしかありません。
第一位 スーダン人の熱い思い
第二位がスーダンに対する文句になってしまいましたが、それでもやっぱり僕はスーダンのファンになってしまいました。
スーダン人の熱い思いに感動することが多かったからです。
特に、スーダン政府の人たちとはぎゃんぎゃんとさんざん喧嘩しましたが、結局みんないかに自分の国をよくするか、を考えていたように思います。
村に行くと、村人たちは「村をよくするためにこういう事業をしたい、そのために私たちができることはいくらでもする」と口々に言います。
そして何より、ロシナンテス、スーダン、日本の人々のためなら、と全力を尽くすロシナンテスのローカルスタッフに僕は何度も感動させられました。
色んなことを経験しましたが、結局僕はスーダンが大好きになって帰ってきました。
これからもスーダンのために自分ができることをしていきたいと思っています。