スーダンから日本へ!保健従事者研修を実施
スーダンでの日本研修シェアセッションのブログに越されてしまいましたが!今回は、日本での研修が一体どんな感じだったのかご報告致します。
スーダンで行われた日本研修シェアセッションの様子についてはこちらをご覧ください。
https://www.rocinantes.org/blog/2017/08/study/
5月15日から5月29日までの間、ロシナンテスの活動に関わっている地域保健従事者を対象にした日本研修を実施しました。主な目的は、日本の地域医療を見ることで、スーダンの地域保健従事者が地域医療について学ぶ機会を提供するとともに、両国間の交流を深めるためでした。スーダンからの研修生は、ロシナンテスのカウンターパートである地域保健局やハルツーム保健省から、地域医療に関わる助産師さんなどの計5名が参加しました。
今回の日本研修では、長野、福岡、東京の3ヶ所を訪問しました。長野では、佐久病院や各分院(診療所)で地域医療や高齢者医療、ケアについて講義を受け、その後各所見学をさせて頂きました。スーダン人研修生は、日本の介護医療やシステムについて興味深く聞き入っていました。
それぞれの国の文化や風習は違いますが、日本の良いところを取り入れれば、近い将来スーダンに新しい医療システムを確立させることも可能ではないかなどの意見が研修生から出ました。日本で学んだことをスーダンへ持ち帰り、関係者に共有することでスーダンの地域医療発展に繋げていきたいです。(前述の通り、7月にスーダンで日本研修のシェアセッションが行われました)
その後は福岡に移動しロシナンテスの活動報告会に参加しました。スーダンでのロシナンテスとの関わり、役目、活動などをスーダン人研修生とともに講演し、その後参加者の方々からの質疑もありました。その中で印象的だったのが「イスラム国が世界的に問題になっていることをどう思いますか?」というストレートな質問でした。それに対してスーダン人研修生の1人が答えました。
「イスラム教は殺人や他教徒を殺すことを禁じています。サラーム(アラビア語で平和)を基本にしている宗教です。イスラム国はイスラムの名を借りた過激集団に過ぎません。イスラム教とは無関係です。」参加者の中には「敬虔なイスラム教徒こそがイスラム国のメンバーになるのだと思っており、勘違いしていました。」とおっしゃっている方もおり、こうやって少しでもイスラムに対する誤解が解けていければいいですね、と研修生たちは話していました。
さらに福岡では、北九州市にある済生会八幡病院でも各病棟見学、先生方から病院や周辺地域についての説明をして頂きました。その後東京でスーダン大使館にて表敬訪問を行い、大使に今回の研修について報告をすることもできました。
研修生には今後、日本研修で得た経験をスーダンの地域医療従事者に伝えて頂き、スーダンの医療環境発展に努めてもらえればと思います。最後になりましたが、今回研修でお世話になりました方々、各病院、施設、診療所の方々、大変お忙しい時にこのような貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました。今後もロシナンテスと関係者で一丸となって頑張ってまいります。