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スーダン2008.01.28

スーダン初戦!そして静かな夜

1月22日、32年ぶりにアフリカカップに帰ってきたスーダンサッカー代表チームの試合が行われた。試合が始まる夜10時頃、この時間でもいつもは車や人通りがあるハルツーム市内はひっそりと静まり返っていた。人々は皆、それぞれテレビのある家やスポーツクラブに集まっていた。テレビの前に大勢で集まり「あーでもない、こーでもない」と討論しながらサッカーの試合を見るのがスーダンスタイル。
初戦は発展目覚しいザンビアと対戦した。数年前に代表選手が乗った飛行機が墜落し、全ての選手、コーチが亡くなってしまった事件から、チームを一から立て直したザンビア。
キックオフから2分、まさかのスーダン失点。
それから何度かスーダンが得意のショートパスをつなげゴール前まで迫りチャンスを作るが、
相手の固い守りの前に得点できず。さらに今日は動きの悪いスーダンチーム。そういえばほんの3日前にハルツーム空港でガーナに向かう代表チームに会ったような?調整不足か?
前半は0?1のまま終了。
そして後半開始。開始早々、ここから挽回!と攻撃に重点をおいたスーダンだったが、コーナーキックから出鼻を挫く追加点を奪われる。その後も中盤でボールは持てるものの、ゴール前ではチャンスが作れず、カウンターアタックからもう1点入れられ結果0対3とスーダンの初戦は完敗。試合後、勝てば街を車のクラクションを鳴らして凱旋する若者もその夜にはなく、ハルツームはいつもよりも静かな深い夜に包まれていた。
そして26日に行われた前回大会優勝のエジプトとの対戦。エジプトは初戦カメルーンを4?2で倒し勢いに乗っており、この試合に勝って決勝トーナメント進出を決めたい大事な一戦。
両チームはナイルダービーと称されサッカーの日本と韓国のようなよきライバルでもあり、
白熱した試合が予想された。
キックオフから勢いに乗るスーダン。前回と違い動きもよく、中盤でボールをまわしながらゴール前に迫りチャンスを作り勢いに乗るスーダンだったが、エジプトに少ないチャンスからペナルティーキックを奪われ先制点を許す。その後も点を取りに行くスーダンだが、
ゴール前での決定力がなく0?1で前半終了。
後半もスーダンがボールを支配して攻めるも決定打を欠き、エジプトに追加点を入れられた後はボール支配もエジプトに握られ、終わってみれば0?3でまたしても完敗だった。
その夜もまた、スーダンは静かな深い闇に包まれていた。
代表チームの試合の後は街に出れば勝ったか負けたかがすぐにわかる。
次節はカメルーンと30日に試合。カメルーンは対ザンビア戦で5?1と大量得点で勝ったチーム。
スーダンが大量得点でカメルーンに勝ち、さらにザンビアが次節で勝利を収めれば、
スーダンが決勝トーナメントへ進む可能性もまだ残されている。スーダン人の良さは、試合に負けても「マレーシ(気にするな)!」と引きずることがなく、くよくよ悩まないところ。気持ちを切り替え、
何とか最後にナイル・クロコダイルと呼ばれるスーダンの暴れ姿をみせて欲しい。
三田 智輝