水汲み少女隊
シェリフ・ハサバッラ村で唯一の水場。学校の校庭にある水飲み場のようなものだ。
村中の人がそこに水を汲みに来る。と言ってもほとんどは女の子の仕事。
8割が女の子、1割が男の子、1割が女性、ごくたまに男性、が汲みに来る。みなロバを連れてやってくる。
20リットル入りポリタンクをくくりつけたり、200リットル入りドラム缶を載せたリヤカーを引かせたりしている。
遠くは5キロ先から1時間かけて来ている女の子たちがいるらしい。
その子たちにくっついて行ってみた。ロシナンテスでも水のプロジェクトを始めようとしている。
診療所の3大疾患の一つは下痢だ。水が原因らしい。水について何かするなら、
やはり最も遠くから来ている人たちのことを考える必要があるんじゃないだろうか。
そう思って、水場から家まで帰る女の子たちに歩いてついて行った。
最初に驚いたのは、歩く速度が速い、ということ。早足でないとついて行けない。
えっちらおっちら、じゃない。スタコラサッサ、という感じ。
考えてみれば、水は全部ロバに乗せてるわけだし。スーダン南部のジュバでは、女の子や女性が20リットル入りポリタンクを頭に乗せて歩いていた。自分も真似してやっていたが、あれは重労働だった。
それでもジュバの女性たちは淡々と運んでた。
ハサバッラ村の女の子たちはワイワイキャーキャーくっちゃべりながら、ロバの横を歩いてる。
なんか田舎の小学校で近所の仲良しグループが遠い道のりをくっちゃべりながら登下校する、
そんな光景を連想した。
確かに片道1時間かかった。でも割とあっという間だった。
大体1日に1?2回、暑い時間帯を避けて朝と夕方に往復するらしい。
一体どんな重労働かと想像していたけど、なんか日常の仕事をそれなりに楽しくこなしているような
雰囲気に見えた。
自分も東京に勤務していた時は、埼玉から1時間半かけて通勤していた。
遠くて大変ですねって言ってくれる人もいたが、電車に乗ってる間はじっくり本を読んだり出来るし
自分は全然苦痛に感じてなかった。
やはり想像するだけでなくて、共に行動してみるって大事ですね。
いわま