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スーダン2012.04.22

油田奪還と今後

先日のブログにUPしました南北問題に少し進展がありました。

20日(金)に南スーダン大統領が3日以内を期限に同国が制圧を続けていた
国境付近、油田地帯(ヘグリグ)からの撤退を南スーダン軍に指示しました。
これを受け同日午後 スーダン政府国防省より油田地帯の<奪還>を公式発表しました。

これを機にスーダンの休日である金曜日のハルツームはお祭りムード一色となりました。
公道には人が溢れ返り 車は歓喜のクラクションを鳴らし続けていました。

スーダン政府のオマルバシール大統領も軍事施設本部に駆けつけ
奪還成功の演説を行いましたが観衆の興奮が激しく演説内容も聞き取れない状態でした。

これで両国の衝突に歯止めがかかるかどうか注目されています。

しかしながらオマルバシール大統領の演説内容も日々過激になり
最初の演説では南軍を害虫軍と罵り
奪還後の演説では <我々の最終目的は油田(ヘグリグ)ではない!ジュバだ!>と声を荒げていました。
この演説内容はハルツームでも賛否両論があり
よく言った!と言う大統領派と一国の大統領が公式に罵るのは国民に影響すると言う意見
もう油田を奪還したのだからこれ以上はいいではないか。と言う
反大統領派がいます。
しかしながら過半数以上は大統領寄りの意見を持っているようです。

南部政府も撤退を指示した後は特に公式発表もしておりません。
動向を伺っているのでしょう。
南スーダン政府は、撤退を決めるに至った理由を明らかにしていませんが、国連やアフリカ連合が南スーダンに対して部隊の撤退を求めるなど国際社会からの圧力が強まっていました。

もう1つは今後の両国間の交渉ツールにする為に撤退を決めたと言う報道も現地でされています。

今後も両国の問題は山積みで、油田地帯の帰属、住民地位の問題や、
スーダン経由で南スーダンに運ばれる石油の輸送費(バシール大統領はスーダン経由で南スーダンに
運ぶのをなしにしようとしているようです。)
その他債務の分担など様々です。

今後も南北問題気になるところです。

去年の7月の天の川プロジェクトでは南北少年少女22名を日本へ連れて行きました。
寝起きを共にし、食事をし語り合い 最後にはハルツーム空港で泣きながら抱き合っていました。
今彼らはこの問題に対してどのような意見を持っているのか、こっちも気になります。

あかね