スーダン2007.12.21
ラクダ
ロシナンテスの新スタッフとして11月末にスーダンに赴任して以来、今回初めて活動地であるシェリフ・ハサバラ村を訪れました。12月16日から19日までの4日間滞在しました。そこで生まれて初めてラクダに乗りました。
水に関する新しい事業の情報収集のため、村で唯一の水汲み場を見学していた時のこと。少年に引き連れられて水運びにやってきていたラクダが一匹、そばでしゃがんでいました。私がそれを物珍しそうに、かつ物欲しそうに見つめながらラクダの首を撫でていると、少年がラクダの背の鞍を指差して、私に向かって頷きます。「えっ、乗っていいの! シメた! ラッキー!」。ラクダはしゃがんでいてもその背の部分の高さは私の胸くらいまであります。よっこらしょと跨いで乗ったら、ラクダはその瞬間すぐ立ち上がろうとします。それも4本足でスクッと立ち上がるのではなく、まず後ろ足の第1関節を伸ばし、次に前足の第1関節、それから再び後ろ足の第2関節、前足の第2関節と4段階で後ろに前にカクッカクッと伸ばしていきます。なのでバランスを取るのが微妙に難しい。
でも何とか振り落とされずに立ち上がりました。するとそこは快適な風景、体感高さ3m、ほぼ360度地平線。この少年はいつもこんな景色を見てるんだ。ラクダの尻を叩くムチを渡されたけど、それで叩くと一体どれだけのスピードで走り出すのか分からないので、ちょっと恐くて叩けませんでした。何と言っても結構な高さなんで、振り落とされるのが恐い。自転車よりバイクより車より、そして自分がかつて運転していた4トントラック(ロング)よりも高い乗り物。そんなのを自由に操って毎日水汲みに従事する少年。やりがいあるだろうな。
岩間邦夫