ハサバラ村レポートその二、母子保健事業
今日はハサバラ村を拠点として行われている母子保健事業に関してレポートしたいと思います。
ハサバラ診療所では妊婦健診・産後訪問などの産前・産後ケアの他に、保健省の管理基準に基づいた子どもたちの栄養状態調査・フォローアップを行っています。
このちょうど3週間ほど前から各村に出向く形の出張調査を行っており、私もこの2週間で3村の調査に参加しました。
どの村でも我が子を見てもらうため、母親たちは必死です。
我先にと、順番を無視してアピールしてくる母親もいます。
病気になってもなかなか病院に行きたがらない人もいる中で、母が子を想う気持ちは世界共通なのだなぁ、と感じました。
中には写真のように、きょうだいが下の子を連れてきているケースもあります。
一人前に子どもの名前や年齢などの質問項目に答え、計測を終えると説明もちゃんと聞いて帰っていきます。しっかり下の子を抱いて帰っていく姿に思わず大きな拍手を送りたくなるような光景ですが、こちらではよくあること。感心です。
3村の調査を終えて、一番気になったケースを紹介します。
上の写真に写っているのはカラマンラー君とそのお母さん。
彼はちょうど3歳になったところですが、身長79cm、体重7.8kgしかありません。
栄養調査の結果、重度の栄養失調ということが分かりました。
基準に基づいて栄養補給食品のピーナッツペーストを食べてもらいましたが、あまり活気がなく、お腹が空いているはずなのになかなか食べることができません。
このような重度の栄養失調の子が、少なからず各村で見つかります。
カラマンラー君のお母さんは足の障害を持っており、松葉杖を使って歩いていますが、段差がある所などは誰かの手を借りなければ移動することができません。こちらの女性は全身を大きな布で覆っているため、どのような障害なのか分かりづらいですが、日本だったら車椅子の適用になるくらいの障害ではないかと思います。この親子が住んでいる村は、浸食のためか凸凹の多い地形にあるため、子育てはおろか生活することすら大変なのでは、と気になります。
カラマンラー君はフォローアップの対象になりますので、今後もこの親子の足取りを追っていきたいと思います。
それでは今回はこの辺で☆
今日はこれからハルツームに移動します。
えぎ