福岡・玄界島視察② ー玄界島の町づくりー
斜面の南側のみに住宅が密集しています。
島の入り口が漁港になっており、向かって左側が集合住宅、その奥が戸建て住宅ゾーンとなります。
一番の高台となっている右奥が玄界島小学校・中学校(小中一貫)となっています。
玄界島は平地がなく、大半の家屋が斜面に建てられていました。
道幅が狭く、階段での上り下りしていました。
高齢者も多いので何とか高台への移動負担を軽減できないか、
また避難経路を確保するために道幅を広く出来ないか、
震災で新たな町づくりをする際に住民から要望が出ており、
それらを盛り込んで新たな町を作ることとなりました。
まず、一つ目として上下の移動負担を軽減するために出たアイディアが
集合住宅のエレベーターを利用し、ブリッジで高台へ行けるようにすること。
このエレベーターは島民の共用となっており、屋上へも行けるようになっています。
そうすると、5階分の階段を登らなくてすみます。
ちなみに、皆で使うエレベーターなので、費用は島民全員で負担しているそうです。
昔ながらの町並みも残そうということから、
こうした階段ももちろん残っています。
階段を登るといたるところにベンチが置かれています。
ちょっと疲れたときに休憩したり、島の人と会ったときに座って話しをしたり。
いま仮設住宅団地にもベンチが置いてあるところがありますが
そういう団地は住民の雰囲気がとても温かいので、ぜひ真似するといいのではと思いました。
そして、新たに整備された道路。
今までは道路の本数も少なく、道幅も狭かったそうですが、
そうするといざというときに車が通れなかったりするので
これを機に道幅を広げて、道路の本数も増やしたそうです。
島民の間でも路上駐車をしないように注意をしたり
交通ルールを徹底したり、ソフト面でも自主的な取り組みをしていました。
今までの町が壊滅してしまい、ゼロからのスタートとなった町づくり。
震災前に抱えていた問題を解決するため、住民が行政と話し合ってハードを整備し
ソフト面は町内会が中心となって徹底しているように見受けられました。
【福岡・玄界島視察】
福岡・玄界島視察① ー西方沖地震で壊滅した島の復興から学ぶー
福岡・玄界島視察② ー玄界島の町づくりー
福岡・玄界島視察③ ー復興のシンボル・玄界島小中学校ー
福岡・玄界島視察④ ー閖上・玄界島の子ども達の交流ー
福岡・玄界島視察⑤ ー住民の声で完成した集合住宅ー
福岡・玄界島視察⑥ ー閖上の復興について熱い議論ー
福岡・玄界島視察⑦ ー番外・美味しいもの編ー