型から飛び出す!?
成田です。
今週は診療所で興味深いことがありました。
とある近隣の村ではしかが流行しているとの情報を聞きつけ、スーダン人医師DR.モーデスの音頭でアウトブレイクの様子を確認するため、午前中の診療が終わった後村に繰り出しました。
村人からの情報を頼りにはしか疑いの患者さんの家を一軒一軒回ります。砂漠の中の炎天下、とにかく暑いです。
感染疑いは子供だけではなく大人にも見られ、合計8名の患者さんを診察して回りました。気温が高い中での高熱。脱水が心配されます。熱のある患者さんには経口補水液を配りました。
そして、健康教育。
予防接種の必要性、ほかの家族、特に子供たちにうつらないように、また症状が悪化したらすぐに診療所に来るように伝えます。
スタッフの熱心さが伝わったのでしょうか、病気でもなかなか診療所に行かない人が多い中、その日の夜の診察に日中に訪問した家のお父さんが、ちゃーんと5歳の子供を連れて診療所に来てくれてとても嬉しかったです。
東ティモールでもそうでしたが、我々保健スタッフが診療所で待っていても、治療が本当に必要な患者さんはなかなかやってきません。来ない理由は様々で、経済的な問題や地理的な理由で来れない人もいれば、それ以外の文化・宗教的理由、それ以外にもそもそも診療を受ける必要性を理解していない人もいます。
患者さんが絶えない日本の病院とは違い、コミニティーボランティアの制度も確立していないこの地域では、我々保健スタッフが、診療所で座って患者さんを待っているという古いタイプの型を超えて、治療、病気の予防の必要性を伝えに出向いて行き、コミュニティーと診療所をつなぐ仕事をも担っていかなければならないのでしょう。
と、頭では分かっていても、日常の業務をこなしながら実践に移していくのは大変なことです。少しずつ少しずつ。
日本でもそうですが、ここスーダンでもなかなか僻地の診療所で医師が働きたがりません。ドクターモーデスはハサバラ診療所に来て1か月の新しいドクターで、すでにハサバラ診療所で4人目のスーダン人ドクターだそうです。そんな状況の中、いいドクターが来てくれて診療所は非常にラッキーです。いいスタッフが継続して働いていけるように、スタッフが働きやすい環境を整えていこうと思います。