断食明けの祭
ラマダーン月が終わった。
スーダンでは12日?15日までの4日間が休日となる。
今朝は近所のモスクのスピーカーから流される
礼拝や今日だけの特別な説教の音で起きた。
しかし、実はまだ断食は終わりではない。
明日から6日間、再び断食が始まる。
とは言っても、それは任意であって義務ではない。
つまり「やりたい人はどうぞ」なのであるが
この間の断食は特に功徳が多いとされており、
経験なイスラーム教徒は
本日をはさんで再度断食を行うのである。
断食明けの祭(イードゥルフィトゥル)には
親戚や友人の家を訪れて
挨拶をして、たくさんのお菓子を食べる。
そのため、この時期
街中の商店には
クッキーやキャラメルなど
カロリーの高いお菓子が大量に積まれる。
店先を眺めてみると
それらがどんどん売れていくのがわかる。
ちなみに時間とやる気のある女性は
手作りクッキーを作る。
友人の家でクッキーをいただいた。
女の子の手作りクッキーという
稀少性の高い味を
むしゃむしゃと頬張っていたら
「これ全部、俺のお婆ちゃんが作ったんだ」
とのこと。
あ、君の妹じゃなかったんだね。
昼前に玄関が叩かれたので、出てみると
隣に住む若い友人(15歳)が
「断食あけて、おめでとう(イードゥムバーラク)」
の言葉とともに皿に盛られたクッキーをくれて、
僕はありがたく受け取った。
不意の贈り物に何を返そうかと考えたが
男の館(灼熱の事務所)にクッキーはなかったので
1.5リットルのジュース2本をお返しとした。
さて、断食明けの祭とは関係のない話になるが
スーダンのちょっとした日々を書き足す。
彼の家には水道がなく
よく水をもらいに来る。
事務所の長いホースを渡して蛇口をひねると
ホースを彼の家まで引きずりこんで1時間ぐらい戻ってこない。
きっとドラム缶に貯水をしているのだろう。
日本で言うと
隣家にしょう油や味噌を借りるようなものか。
(もう、そんな近所づきあいはほとんどないのだろうが)
スーダンでは子どもは地域全体で育てるし
困ったことはみなの協力で解決する。
そういうのっていいよな、と思う
2007年10月12日。
荒井繁