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スーダン2007.10.09

長いです

今日はラマダーン月の27日目に当たる。
この日の夜はライラトルカドゥルと呼ばれ
イスラーム教徒にとっては特別な夜である。
わかりやすいように太陽暦でいうと
今年のスーダンでは
10月9日の夜から
10日の未明までの時間帯である。
今日はそれについての話を書く。

昔々のお話、西暦610年。
今から1400年も前の話。
ムハンマドという40歳の商人が
山に篭って瞑想をしていた。
ある夜のこと
突然
全身が押さえつけられるような異様な感覚があり
“読め、「創造なされる御方、
あなたの主の御名において。
一凝血から、人間を作られた。」
読め、「あなたの主は最高の尊貴であられ、
筆によって(書くことを)教えられた御方。
人間に未知なる事を教えられた御方である」”
という啓示が下った。
以後彼が亡くなるまで二十数年間にわたって
アッラーから下されたものがクルアーンである。

イスラーム教徒の間では
「最初の啓示があった日は、どうやら
ラマダーン月の最後の10日間のどれからしいぞ」
「26日か27日目が一番可能性が高いらしいぜ」
「奇数日って話だぜ。だから27あたりじゃねーか?」と、
そう信じられている。
そのようなわけでラマダーン月の後半10日間、
特に27日目は大切な夜なのだ。
では、その夜について
今回もクルアーンに書かれていることを抜き出す。
先ずは日本ムスリム協会の「聖クルアーン」から引用
「本当にわれは、みいつの夜に、この(クルアーン)を下した。
みいつの夜が何であるかを、あなたに理解させるものは何か。
みいつの夜は千月よりも優る。
(その夜)天使たちと精霊は、主の許しのもとに、
全ての神命を齎して下る。
暁の明けるまで、(それは)平安である。」

97章
注・みいつ(神威)は威力、使命、運命、あるいは富、価値などの意。
(注部分も引用)

いつも通り井筒さんの「コーラン」からも引用
「我らはこれを定めの夜に下した。(注1)
定めの夜とはそもなんぞやとなんで知る。
定めの夜こそ千の月にもまさるもの。
この夜、諸々の天使、ならびに聖霊、主のお許しを得て、
すべての神勅
(注2)をたずさえしずしずと降臨し給う。
ああなんたる平安ぞ、黎明の光たち昇るそのときまで。」

97章
注1
「定めの夜」は聖なるラマダーン月
最後の五日のうちの一夜
(特に二十七日の夜)に当たり、
一年の計、すなわち来るべき一年中の
一切の出来事にたいする
神の決定が最終的になされる夜と解される。
この解によるとカドルQadrという語は
「(神の)意思決定」を意味するが、
そのほか「(神の)威力」、「至高至尊の地位」など
イスラーム教諸学派によりさまざまな意味に解される。
注2
前述、一年中の諸事を決した神の神勅である。
(注1・2の部分も引用)

ライラトルカドゥルは大切な夜であり、
この間ムスリムは礼拝やコーラン読誦などに
いっそうの力を入れ、
ラマダーン月をより有意義にしようと努めるのである。
荒井繁