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スーダン2007.09.20

明日は金曜。今夜も夜更かしの予定。

毎日スーダンの人と少しでも話をする。
語学の勉強になるし、それに加え
たとえ小さくとも橋をかけることにもなる。
「スーダンの事はほとんど知られてないな」
「日本の事はほとんど知られてないな」
なんて愚痴をこぼさずに、話そう。
言葉があるのだから。
昨夜は数ヶ月ぶりに「俺はやるぜ」発言。
また逃げ道をなくしてしまった。
ルビコン川が後方に見える…
何かをするときに
「やらないよりはましだ」
と言うのは好きではない。
「やるからには、やる」
と宣言した方がスカッと晴れて気持ちがいい。
と、それはおいといて書く。
僕とスーダン人の会話だが
近頃は「ラマダーン」のお題で始まる。
来月ではちょっと遅く、先月ではちょっと早い。
今だけ季節限定、旬の話題である。
猛暑の中での断食は非常に辛い。
そんなこと聞くまでもなくわかっているが、
僕は挨拶のあとに
「断食はどう?ほんと暑いですね」と聞く。
すると彼らは笑って
「(きついけれど、このほうが神様からの)報酬が多いんだよ」と答える。
ちょっとこなして訳すと「御利益が多い」ということ。
現代のイスラーム社会では2つの暦を使い分けている。
太陽暦と太陰暦である。
(理由については後日記そうと思う)
そしてイスラームに関係する行事は太陰暦に従う。
太陰暦は太陽暦に比べ年間11日ほど短いために、
断食月(ラマダーン月)も西暦の上では毎年その分ずれていく。
たとえば、ある年の太陽暦1月1日が
太陰暦の1月1日でもあったとする。
すると太陰暦上の次の1月1日は
太陽暦の12月20日になるということ。
だからラマダーン月が冬に回ってくる事もあれば
夏に回ってくる事もある。
ラマダーン月が涼しい季節にあたれば
それに越したことは無いわけだが
スーダンで涼しいのは12月と1月ぐらいで、
あとはほとんど暑い。
しかし、軽い脱水で頭がずきずきしようとも
空いたお腹に脳がかりかりしようとも
「御利益が多い」と言って、みんなありがたく断食を行っている。
はたからみて、あまり信仰心があつくなかった友人
(「海外にいったら酒飲むよ。へへへ」)まで、
ラマダーン月に入ってからは
きちんと飲食を断って、禁煙もしている。
「私はイスラーム教徒だ」という
アイデンティティーの再確認にもなっているようだ。
イスラーム教徒にとって
今月はとても神聖な月なのである。
荒井繁