ポテトサラダは絶品だった。
ラマダーン月の間、イスラーム教徒は日中の飲食ができなくなる。
それによって食事時間や献立が変わるのでそれについて一般的なことを書く。
今、日の出は5時45分前後なので
起床は朝4時から5時ごろになる。
人によっては30分ぐらいクルアーンを朗誦して、
それから簡単な食事をする。
友達の家に泊まったとき
おばあちゃんがまだ闇の中でクルアーンを開いて
もごもご言っているのを見たときは
光がないのに読めるのかなあと思ったが
ある程度は暗記しているだろうし
はっきりと字がよめなくても支障はないのであろう。
話を戻す。
朝食の内容はというと
紅茶、ミルクティーなどの飲み物
それにケーキやビスケットという組み合わせが多い。
抜かす昼食分のエネルギーを補うために
朝のうちに大量の糖分を摂っておくのだ。
そのわりには軽めのメニューじゃない?と思うかもしれないが
ここで欲張ってしまうと昼間は胃がもたれて辛いのだそうだ。
悩ましいところである。
といいつつも、食べる人は腹10分目までしっかり食べる。
そして朝の礼拝をして、また1・2時間眠る。
太陽が出ている間は
水はもちろん、唾を飲むことも禁じられている。
そのために路上で唾を吐く人をみかけることも少なくない。
ちなみにタバコも口にしてはいけない。
異教徒には関係ないとはいえ、喉をひりつかした人たちの前で
コーラを「ひゃー、うめーぜ」なんて飲めないので
僕も外にいるときは自主断食。
別にぐびぐびと音を立てたところで
コラッ、なんて叩かれるわけでもないのだけれど
そこらへんは郷に入った者としてはきちんと郷に従う。
日没は夜7時前。今日は6時58分だったか。
まずは水かジュースを口にして
オプションでナツメヤシをかじる。
そうして空っぽの胃を驚かさないようにしてから
待ち焦がれた食事となる。
この食事、前もって「明日はうちに食べにきてよ」なんて
誘われた席では豪勢な料理が準備されているが
散歩中に「そろそろ時間だし、一緒にどうだい?」と
近所の人に声をかけてもらって突然の参加をするときは
質素に豆料理だけ、などという場合が多い。
多くの家庭では7時には軽めな晩御飯を食べて
そのあと夜10時に豪華な晩御飯が出る。
そして深夜1時、就寝前には追加の晩御飯となる。
荒井繁