特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

ロシナンテスからの活動情報をご案内します。

  1. HOME
  2. 活動報告ブログ
スーダン2007.09.11

天命、未だ下らず

昨夜、夢を見ました。
私の大学のボスである前原教授をはじめとして医局員の前で、私の研究発表をする予定なのですが、用意ができていません。もう明日が発表と言うのにです。
研究資料の入ったコンピューターは、霜田君がポートスーダンに持って行っておりありません。(この辺の脈絡は滅茶苦茶です)
他の医局員の先生には、私の発表を期待しているからと声をかけられます。
みんなの期待が!でも用意できていない!と焦っているところで目が覚めました。
電気は付けっ放しで、気分的に昨夜深酒をしたあとのようです。
そうです。昨日は深夜まで霜田君からの電話を待っていました。
霜田君はポートスーダンに行くために、朝6時のバスの乗りました。本当は、飛行機で行かせたかったのですが、満席でバスに変えることにしました。バスで行くには、旅行許可証が要ります。それを入手するのに2日もかかりました。それでバスに乗ることにしたのですが、バスも満席でした。そこで、他の乗客から金額を上乗せして買って乗り込んだそうです。
霜田君がポートスーダンに到着したのは深夜1時すぎだったようで、ホテルも満員で、アシスタントとして同行させたモハメド君の友達の家に泊まったそうです。モハメド君を同行させておいて良かったです。
実は、前から書いています問題というのは、救急車の引取りのことでした。
今日までに引き取ることが条件でしたので、霜田君のことも合わせて、上記のような夢を見たのでしょう。
この救急車、日本から持ってきた中古のものです。日本外交協会さんが外務省に掛け合い、輸送費を出してくれました。宛先はガダーレフ州で、ロシナンテスと協同して活用していくとしています。なぜロシナンテスが最終受け取り先にならないかというと、申請時ロシナンテスは国に援助をもらえる基準に達していなかったのです。もう今では申請できると思いますが。
4月にポートスーダンに中古救急車は到着したのですが、ロシナンテスが受取人ではないので、ガダーレフ州に書類をわたし、処理してもらうことにしました。
この書類自体も、DHLでガダーレフ宛にしていたものが、ガダーレフには支店がないとのことで、我々が必要書類をガダーレフに持って行ったりもしました。これが、ケチのはじまりですかね。書類を届けるだけで何日も時間を要しました。
その後、州政府任せにしていたのですが、事がなかなかはかどらずに、いよいよになって、全部のことを私が引き受け、この10数日間、いろんなところを駆けずり回りました。
障害がいくつかありました。スーダンの法律では、3年以上経過した車は輸入できません。また右ハンドルの車は走行できません。ですから、基準局の許可、外交通商省の許可それに関税免除、港湾使用料免除、港の延滞料などを解決していかなければなりません。
いろいろと書きたいのですが、各方面への批判になってしまいますので、書きません。
ただ、その途中で「なんで!?」と言う場面が何度もあり、そのたびに、ナイル川に飛び込みたい衝動にかられました。
前回、天命は下ったと書きましたが、実はこれは天命でも何もなく、単なる人命だったのです。救急車の引取りくらいでは、天命は下りませんでした。
霜田君から連絡を受けたときは、「ここまで、やることはやったんだから」という心境でした。
ただ、各方面にご迷惑をかけて事は事実です。
特に日本外交協会さんには、本当にご迷惑をかけたと思っています。
診療所ばかりに目が行ってしまったのでしょう。
しかし、考えてみれば中古救急車の引き取りは、前段階中の前段階で、これをどう活用するかに本質はあります。
引き取りは、指定期日までにできませんでしたが、活用では、世界のどんな国に送られた日本の中古救急車よりも、有効に活用していきたいと思います。
最後に、曇りのない心で申し上げれば、ロシナンテスメンバー全員は一生懸命にやっています。
そして、それを天は見ています。
まだまだ人事を尽くさないといけないのでしょう。
そして、もっと大きな舞台での天命が下ることを信じています。
川原尚行