特定非営利活動法人ロシナンテス

母子保健

母と子の未来のため、安心して出産できる環境を整えています。

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安心して出産できる環境を整える

ザンビアの村落部では、診療所まで歩いて何時間もかかる地域が多く、家で出産したり、
診療所に向かう途中で出産したりするケースが多くみられます。
医療施設以外での出産はリスクが大きく、母子ともに危険な状態にさらされます。
こうした状況を改善し、施設での安全なお産を増やすことを目指して活動しています。

中央州チサンバ郡ムワプラ地域

東京都の2倍以上の広さを有するチサンバ郡には医療施設が18しかなく、住民の医療施設へのアクセスは大きな課題です。ロシナンテスが活動するムワプラ地域でも、小さな診療所がおよそ6000人をカバーしている状態です。 ザンビアでは現在、医療施設での出産が義務化されており、この地域に住む妊婦さん達は、ムワプラ診療所で出産することが想定されています。しかし村の人々の移動手段が主に徒歩であることもあり、多くの妊婦さん達は陣痛が始まってから診療所に向かっても、出産に間に合いません。
実際、2018年にチサンバ郡において医療施設で出産したケースは62%、ムワプラ診療所の管轄地域では41%に止まっています。また、何とかして医療施設に行っても、医療従事者や医薬品、設備などが不足していることもあります。

出産待機施設「マザーシェルター」の建設

診療所での出産をより確実にすることを目指し、診療所の近くにマザーシェルターを整備します。陣痛が起こるよりも前、例えば出産予定日の1週間前に家からマザーシェルターにやって来て宿泊することで、確実に診療所で出産することができるようになります。
診療所で出産できれば、もし出産に際して危険な状態になったとしても適切な処置を受けられる可能性が高まり、感染症や出血多量など、出産に関連する危険を減らすことができます。
トイレやシャワー室の他、栄養のある食事がとれるよう調理場も設置します。現地からの要望を受け、遠方から同行してきた付き添い人が宿泊できる部屋も設ける予定です。

ヘルスボランティア「SMAG」の育成

村落部での安全な出産を支える重要な要素として、住民によって構成され、重要な役割を担うヘルスボランティア「SMAG」の活動があります。
SMAGとは「Safe Motherhood Action Group」の頭文字を取ったもので、ザンビアの村落部において、母子保健に関するボランティアを行うグループを意味します。政府公認の有資格者で構成されており、妊産婦の産前・産後の検診受診を促したり、5歳未満の乳幼児に対する検診をサポートしたりと、地域を巡回し、妊産婦へ適切なアドバイスをする役割を担っています。
しかし、トレーニングを受けて何年も経った人が多いこと、活動を続ける人が減ってきていること(高齢化、主な収入源である農業の忙しさ等が背景にあります)から、活動の質と量をあげる必要が出てきていました。
そのためマザーシェルターの建設とともに、SMAGの新規育成や既存のSMAGへの再研修も行います。

今後の展望

母と子の未来を守る

事業を通して、安心して出産できる環境を整え、
妊産婦さんたちに選んでもらえる診療所となるためのサポートを行っていきます。