もう誰も、栄養不良で苦しませない
2015年1月からはじまった国連WFPとスーダンの国内NGO「SIDO」との協同事業。
北コルドファン州にて、急性栄養不良の乳幼児(5歳以下)と妊婦や授乳期の母親に栄養補助支援を実施しました。
栄養改善プロジェクトとは
国連WFPとの協働で、保健省とSIDOとともに子どもたちの栄養状態が悪い地域での栄養改善事業を実施しました。対象は、北コルドファン州の州都アルオベイド(首都ハルツームから車で7時間)から、さらに100キロほどオフロードを走ったところにある、オンムダム・ハージ・アハメド地域の住民です。
栄養不良の影響を受けやすい生後6か月から59か月までの子ども、そして妊産婦や授乳婦を対象に、7つのヘルスセンターで栄養状態の判定を行い、栄養不良と判定された子どもには栄養補助剤を渡し、経過観察で状態が改善されるまで継続します。同様に、妊婦や授乳期の母親にも判定をおこないます。また、この事業に協力してくれる人を地域から募り、研修をして、栄養状態の測定をお願いするなど、地域の人材育成にも携わりました。
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WFPの食糧倉庫
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WFP事務所にて、州保健省、
SIDOのスタッフへの研修 -
北コルドファン州には遊牧民が多い
4年間のプロジェクトが終了
2015年から行ってきた栄養改善事業が、2018年12月で終了しました。4年間の活動を通じて、合計149,097人への栄養判定を行い、栄養不良であった12,565人に対して必要な栄養補助とフォローアップを行うことができました。
栄養判定実施数 | フォローアップ 栄養補助実施数 |
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6~59カ月児 | 119,479 | 10,366 |
妊産婦・授乳婦 | 29,618 | 2,199 |
合 計 | 149,097 | 12,565 |
2016年と2018年のMAM(中等度栄養失調)の割合を比較すると、5歳以下の子どもについては、11.3%から5.6%に減少。妊産婦・授乳婦については9.8%から4.6%に減少。 また、「栄養不良」の子どもは4.95%、妊産婦・授乳婦は3.26%と、WHO(世界保健機構)の定める水準を達成することができました。
今後の展望
協働経験を今後の活動に活かす
国連WFPという、多くの経験・実績を持った組織と協働できたことは、団体として大きな学びとなりました。今後はこの4年間に得られた知見を事業に活かし、スーダンの妊産婦や子どもたちのために引き続き尽力していきます。