特定非営利活動法人ロシナンテス

診療所建設

いつでも医療を届けられるように、3つの診療所を建てました。

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いつでも診てもらえる診療所を建設

巡回診療を行っているワッドアブサーレ区は、月に一度の医療しか受けられません。
そのため、緊急対応や継続的な診療ができず、救うことのできない命がありました。
そこで私たちは、スーダン保健省とともに診療所の建設に立ち上がりました。

ハルツーム州ワッドアブサーレ区に建設

みなさまからのご支援が、住民の願いを叶えました

巡回診療を行っているワッドアブサーレ区の面積は、東京都とほぼ同じ。ここに29の無医村が点在し、約2万人の住民が生活をしています。医療スタッフたちは、2週間をかけて砂漠つづきのこの地域を回り、活動しているのです。灼熱の大地での移動は、過酷を極めます。その一方で、村人から見れば、診療を受けられるチャンスは月に1度。そのため、地元住民からは、「いつでも医療が受けられる診療所が欲しい」との強い要望がありました。

それなら、診療所をつくろう。私たちは決意を固め、ハルツーム州保健省を交えて話し合いを重ねました。その結果、地理的な事情と周辺人口を考慮して、アルセレリア村、アルハムダ村、ワッド・シュウェイン村の3村を建設地として決定。実現のための取り組みを始めました。

この地域にある建築物は、スーダンの土からできるレンガで作られます。もちろん、診療所もレンガで作ります。そこで、この事業名を「土とレンガの診療所プロジェクト」とし、その資金提供を日本のみなさまにお願いしました。

おかげさまで、3棟の診療所を無事に建設することができました。
ご協力いただいた日本のみなさまに、心から感謝申しあげます。

レンガの診療所建設

スーダン人によるスーダン人のための診療所。

「土とレンガの診療所プロジェクト」に集まった総額は、クラウドファンディングでご協力いただいた分も合わせて28,580,405円。多くのみなさまに、多大なご協力をいただきました。2018年1月に、3棟すべてが無事完成し、ハルツーム州保健省への引き渡しを終えています。

診療所の建設にあたって、設計は地元の方にお願いしました。風の向きを考えて、この風土にあった設計が行われました。医療機器や診療所の備品は、日本の医療機器を販売しているスーダンの業者、「ナシフ」が寄付してくださいました。診療所の周囲には、村の住民から寄贈された樹々が植えられ、彩りを添えています。スーダンと日本。2つの国の人々によって診療所は完成しました。ここで、スーダンの人々によるスーダンの人々のための診療が始まります。

レンガは、製造から積み上げまで、すべて手作業で行われます。土を採掘してレンガをつくり、積み上げる。地道な作業が続きました。

スーダンのレンガが製作まで

  1. 土にナイル川の水を混ぜ
  2. 牛の糞を少し加える
    牛の糞には草が入っていて、つなぎにするにはちょうどいいのだそうです。
  3. 型に入れて日干しに
  4. 火を通してレンガに完成

スーダンの大地とナイル川の水は、人間にさまざまな恵みをもたらしてくれます。建築物は、雄大な自然と人間の知恵の結晶なのです。

今後の展望

スーダンの人たちと力を合わせ、
診療所を運営していきます!

地域住民の要望に応え、日本のみなさまからの支援で建設された3棟の診療所。建設は終えたものの、持続的に運営していけるようにするには、人・物・仕組みの面でまだまだ多くの課題が残されています。ロシナンテスは引き続き、保健省や地域住民の方々と協力しながら、診療所が地域診療のシンボルとなるよう尽力していきます。