濁った水に苦しむスーダンの人々
世界では21億人もの人々が安全な飲み水を得られない状況にあるといわれています*。私たちロシナンテスが活動するスーダン共和国においても水の問題は、人々の生活、そして生命に深刻な影響を与えています。今回のプロジェクトでは、スーダン共和国北コルドファン州オンムダム・ハージ・アハメド地域にあるオンムサマーマ村の住民に、安全で清潔な水を提供する井戸と給水場の完成を目指します。
オンムサマーマ村では、安全で清潔な水を手に入れることが難しいため、調理、洗濯、さらには飲み水までも濁った泥水を使用することで生活している住民が数多くいます。村には現在、2基の井戸が稼働していますが、全住民を支えるには供給力が圧倒的に不足しており、水を得るため早朝から並んでも配給を受けることができない人々がたくさんいるのです。きれいな水が得られないときは、泥の混ざった茶色い水を汲んで帰るしかなく、生きて行くためにはその泥水を飲むしかありません。
水を得るため早朝から出かけて行くのは、多くの場合、女性や子どもたちです。そのため、安全で清潔な水が手に入らないことは感染症などの原因となっているだけでなく、子どもたちから教育を受ける権利を奪っているのです。
*出典:共同監査プログラム(JMP)報告書「衛生施設と飲料水の前進:2017年最新データと持続可能な開発目標(SDGs)基準」
Photo: Kazuya Sudo
清水寺と協力し、
スーダンに「清水」を届けます
今回のプロジェクトは、音羽山 清水寺と協働で実施します。清水寺のような寺社とロシナンテスのような国際協力団体が協働してアフリカの支援活動に取り組むことはあまり前例がありません。
この協働は、水の化身とされる観音様、千手観音を御本尊とする清水寺が、「生命の根源であり、命を守り育む水を届けたい」というロシナンテスの想いに共鳴したことによって実現しました。
清水寺 声明文
少しだけ一緒に考えて頂きたいです。
皆様の日常で・・・
喉がとても渇いた時に美味しい水が飲めたら
慣れ親しんだ道で咲いたきれいな花を偶然見つけたら
桜や紅葉、朝日や夕日など自然の美しさに触れたら
安心して行きたい所へ行く事が出来たら
ケガや病気をした時、誰かが助けてくれたら
服を着て、食事をし、雨風の心配なく寝る事が出来たら
人の思いやりや優しさ、ありがとうの思いを感じられたら
誰かの心からの笑顔に、喜びや幸せ、感動に立ち会えたら
大切な人が今日元気であったら
きっと嬉しいですね。
これらすべては本来決して当たり前ではなく、もろく壊れやすい、だからこそ尊くもあります。そして誰かが作ってくれるのではなく、みんなで作り、守るものだと強く感じています。
そして一人一人に、その力が必ずあると信じます。だからこそ皆様と少しでも思いを共にし、より良い社会を作っていきたいと心より願っています。
この願いのもと、具体的な行動の一環として、今回ロシナンテスのプロジェクトに協賛致します。本趣旨について少しでもご理解頂き、祈りの心、思いやりの心を共有して頂ければ幸いです。
合掌
「協働」のひとつの形として、2018年4月15日に清水寺においてロシナンテス理事長 川原尚行による講演会と夜間特別拝観を実施します。 この特別拝観は、講演会の参加者だけで、閉門後の静かな山内をお参りいただけるものです。少しでも多くの方にご理解いただき、祈りの心、思いやりの心を共有していただければ幸いです。
【開催概要】
日程:2018年4月15日(日)
時間:講演会 16:00開場 / 17:00開演 / 18:30終演
祈りの夜間特別拝観 18:45 - 19:30
講演会演者:川原尚行(ロシナンテス理事長)
主催:特定非営利活動法人ロシナンテス
協賛:音羽山 清水寺
参加:無料
【お申し込み方法】
以下のいずれかの方法でお申し込みください。
1. 申し込みフォーム
https://goo.gl/forms/7yOBxKMpRTJcuruh1
2. メール
宛先:info@rocinantes.org
件名:清水寺講演会 申込
メール本文に以下の項目のご記載をお願いいたします。
・お名前
・お名前(読み)
・参加人数
・電話番号(可能な限り携帯電話の番号をお知らせください)
・メールアドレス
3. お電話
認定NPO法人ロシナンテス
TEL:093-521-6470(受付:平日10時 - 17時)
Junji Naito Photographs
ロシナンテス代表、
川原尚行より皆さまへ
スーダンに来て16年が経ちました。その間、内戦の終結、南北統一政府、南スーダンの分離独立と、大きな変化が立て続けに起こりました。私も、大使館医務官を辞職しロシナンテスを設立と、人生を大きく転換させてきました。
支援活動を始めて12年。現地の人々とともに、過酷な環境の中に我が身を置き、何が困難なのか見てきました。
地方の村で、村人から茶色く濁った水を差し出されたことが何度もあります。医者としてそれを飲むことが如何にリスクの高いことか、もちろん十分にわかっています。しかし私は、出される度にその泥水を飲み干してきました。支援は、「助けてやっている」という姿勢ではうまくいきません。一緒に力を合わせることが必要です。そのためには信頼関係が欠かせません。「同じ釜の飯を食う」とはよく言ったもので、出された水が例え泥で濁っていようとも、それを飲むことで生まれる信頼関係があります。それに、そのような水ですらその村では貴重なのです。「飲めない」と突き返すことは私にはできません。
しかし、どんなに貴重なものであっても泥水は泥水。飲んだ翌日に体調を崩したことは一度や二度ではありません。何日も寝込んだこともあります。その度に私は「これが赤ん坊だったらこのまま死ぬのではないか」と思いました。実際に、現地の子どもたちが病気になるのを幾度も見てきています。しかし、そんな泥水でさえも、手に入れば良い方なのです。この地方では水を求めて遠路を行き来することは日常茶飯事。一日中、炎天下の砂漠の中で移動を続けても、濁った水すら手に入らないこともあります。
このような水の問題を、なんとか解決したいとずっと夢見てきました。いまようやく、その準備ができたのです。
栄養改善事業を行っている北コルドファン州 オンムサマーマ村を訪れました。舗装路を外れ、砂の中、車を走らせること2時間。3月初旬というのに気温は40度を超えています。小さな井戸の周囲に、台車に積まれたドラム缶や水を入れる容器がたくさん並べられ、多くの女性や子どもたちが水汲み作業に精を出しています。子どもたちは、「勉強したいけど、水の仕事は家族のために大事だから」と、学校に行く時間になっても汗を流しています。もう一つの井戸は、地中に水槽がありました。人と家畜が共用していますが、きれいな水ではありませんでした。
今後は、水の問題に真剣に取り組んでいくと決意を新たにしました。まずはこのオンムサマーマ村に、きれいな水を届けたいと願っています。
ロシナンテスは清水寺と協働し、命を守る水をスーダンに届けるため、募金活動を実施します。ご支援、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
Junji Naito Photographs
皆さまからの
ご寄付で実現できること
オンムサマーマ村とその近郊に暮らす約1万人の住民が、安全で清潔な水を手に入れることができるようになります。また、この地方で暮らす上でかかせないロバや羊などの家畜約6,000頭も安全で清潔な水が飲めるようになります。
同時に、水を手に入れるために早朝から出かけていた女性や子どもたちが水汲み労働から解放されます。こうしてできた時間によって家計の収入向上が図れる他、子どもたちは再び学校に通えるようになります。
所得税の一部が還付されます
ロシナンテスは認定NPO法人です。
ご寄付は税額控除等、
税制上の優遇措置の対象となります。
例えば、1万円をご寄付いただくと
所得税 3,200円が戻ります
(寄付金額-2,000円)× 40%
*確定申告が必要です
*還付額は所得などご本人様の状況により異なることがあります。
詳しくは最寄りの税務署へお問い合わせください。